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バレット食道の診断と治療

バレット食道とは

食道粘膜は扁平上皮という粘膜で覆われていますが、その扁平上皮が胃から連続して胃粘膜のような円柱上皮に置換された状態を、報告者の名前をとってバレット食道と呼んでいます。バレット食道の発生は胃酸の食道への逆流と関係しているとされています。
元々、この疾患はピロリ菌感染の少ない欧米の白人に多いとされており、日本の食道がんのほとんどは扁平上皮がんですが、欧米の食道がんの過半数はバレット食道から発生するバレット食道がんです。
しかし最近、日本人でも生活習慣の欧米化やピロリ菌感染率の低下に伴いバレット食道が増加しています。バレット食道から食道腺がんが発生する頻度は年率0.6%程度と必ずしも高くはありませんが、バレット食道は食道腺がんの発生母地であり、バレット食道のある患者さんはない患者さんに比べて食道腺がんの発生が30-125倍高いと言われています。そのような理由から最近では日本でもバレット食道が注目されています。

バレット食道とバレット食道がんの内視鏡写真 
生活習慣の欧米化やピロリ菌感染率の低下に伴い
バレット食道が増加

バレット食道の診断

バレット食道の診断は上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で行います。食道胃接合部から口側に存在する円柱上皮をバレット食道と診断しますが、肝心の食道胃接合部の定義が国際的には未だ定まっていません。本邦では食道から伸びる柵状血管の下端を食道胃接合部としていますが、国によっては胃粘膜襞の上端を食道胃接合部としているところもあります。
バレット粘膜が3cm以上全周性に認められればLSBE(long segment Barrett’s esophagus)、3cm以内であればSSBE(short segment Barrett’s esophagus)と呼んでいます。
また、バレット食道がんが疑われる場合には拡大内視鏡診断、病理組織学的診断が有用です。

バレット食道の治療

バレット食道の進展やバレット食道がんの発生の予防には酸分泌抑制剤(プロトンポンプ阻害薬)が有効であるとする報告もありますが、バレット食道がんを完全に消失させる治療は現在のところありません。バレット食道がバレット食道がんの発生母地になりうることを考えると定期的に内視鏡検査を受けていただくことが望ましいです。
バレット食道がんと診断された場合は、ごく早期のがんであれば内視鏡で切除することができますが、ある程度進行してしまった場合には外科的切除や抗がん剤治療を行うことになります。

患者さんへ

当科ではバレット食道がんが発生しやすいバレット食道を見分ける臨床研究を行っており、バレット食道がんの発生に関連した遺伝子異常が少しずつ明らかにされてきています。
バレット食道はあまり聞き馴染みのない疾患であるとは思いますが、今後日本でも増加してくる可能性がある疾患であり、臨床研究にご参加頂ける方、心配な点、ご不明な点がある方は外来でお気軽にご相談下さい。

※お電話やメールのみによるご相談は
お受けしておりませんので予めご了承ください

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