患者さんへ診察内容/
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早期食道がん及び早期胃がんの内視鏡的治療

内視鏡的粘膜切除術(EMR)|
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

わが国におけるがん患者の死亡数は年々増大傾向にあり、1980年代に比べ約2倍になっています。その主な原因としては人口高齢化に伴うものとされています。中でも胃がんは男女とも死亡数が多く、また食道がんも男性に多い傾向を認め、依然として一定の死亡者数が報告されています。そのため早期がんを迅速に発見、治療することが何よりも大切であると言えます。
従来よりポリープなどの良性腫瘍や病変が小さな早期食道がん、早期胃がんに対して粘膜病変を挙上して鋼線のスネアをかけて高周波により焼灼切除する方法であるEMRが広く施行されてきましたが、病変が広範囲にわたる病変や線維化や潰瘍形成などにより粘膜の挙上が困難な病変では一括切除が困難となり分割切除になることにより、がん組織の取り残しや断端評価ができないこともありました。
そのためEMRによる技術的限界を克服すべく高周波ナイフを用いて病巣周囲の粘膜を切開し、さらに粘膜下層を離して病変を切除するESDが新たな手技として確立されました。
2006年に胃がんに対するESD治療が、続いて2008年に食道がんに対するESD治療に対しても保険収載がなされ兵庫医科大学病院においても早くから積極的にESDによる内視鏡治療を施行しています。
当大学病院は兵庫県西宮市に位置しており関西圏においてがん治療における指導的役割を担っており、当院での検査でがんが見つかった患者さんのみならず、近隣病院や医院からもたくさんの患者さんが紹介され治療されています。

診断から治療へ

食道及び胃の早期がんを指摘された場合、まず正確ながんの診断、病変の評価が大切となります。近年は内視鏡機器自体の技術進歩により通常観察に加え、拡大観察を施行することでより高精細な画像を得られるようになりました。
また通常光観察に加えて狭帯域光観察(NBI:Narrow Band Imaging)をすることで粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様などを観察することが可能となり、病変の形態、範囲、深達度、組織型の評価を行っています。食道がんではヨードを撒布することにより、染色されない不染帯として描出されるため病変の範囲診断には有用です。
さらに適宜、内視鏡的超音波断層法(EUS)を追加で施行することでより正確な深達度を評価しています。その結果をもとに毎週症例検討会を開き治療方針を議論するともに定期的に病理部、外科との合同検討会を設けることでより適切な治療を提供出来るよう努めています。
このようにESDにより切除した病変は顕微鏡による組織検査を行うことで最終診断をします。組織検査の結果、完全に切除できているかどうかを判断し必要があれば追加治療を行います。
治療前に脈管浸潤やリンパ節転移の可能性が極めて低いと診断されていても顕微鏡による検査で病変が粘膜層より深い層にまで達していたり、血管やリンパ管にがん細胞が入っていることがわかった場合は外科治療が必要となることがあります。そのような場合でも当科では外科との密接な連携体制のもと迅速な治療へと移行することが可能となっています

早期食道がんのESD
早期胃がんのESD

入院から退院に向けて

当院における早期食道がん、早期胃がんの治療で入院される場合、基本的にクリニカルパスを導入し対応しています。共通のパス表に基づき、医師だけでなくすべての医療従事者がチームとなって治療、看護及びケアにあたることで質の高い医療を患者さんに提供するよう心がけています。
また入院から退院までのタイムスケジュールを入院時にご説明することで患者さんやご家族は治療内容や経過をより明確に把握することができます。

患者さんへ

当科では早期がんに対する内視鏡治療を診療の柱の一つとして積極的に施行しています。がんの疑いを指摘された患者さんはどのような治療をすべきか大変不安な思いをされることと思います。
当科ではそのような患者さんおひとりおひとりにとって最善の医療を提供出来るよう努めており、セカンドオピニオンも積極的に導入しております。内視鏡治療を受けられるかどうか分からない場合でもお気軽にご相談下さい。

※お電話やメールのみによるご相談は
お受けしておりませんので予めご了承ください

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